静岡県 文化財耐震診断方法「予備基礎診断」

実施に向けての委員会メンバーとして関わり、2010年度は、「静岡県文化財建造物監理士養成講習会」の講師としても関わっています。

伝統的な木造建築物の耐震診断が広く行われにくい現状

伝統的な木造建築物の耐震診断について考えると、そもそも地震に対して抵抗できるものとして何を評価するかという点から、難しい問題に直面します。
文化庁の重要文化財(建造物)耐震診断指針では、所有者が点検する所有者診断と、その結果に応じて専門家が行う基礎診断の方補が示されています。
所有者診断だけでは、簡便すぎて、的確に耐震性を判断することはできません。
基礎診断は、基礎という言葉がついているものの、それを実施するためには、手間がかかり、診断するにあたっても、それ相応の費用が関わります。
簡便ながらもある程度の耐震性を判断する目安になる方法がないと耐震診断が広く行われることには、なかなかならないと思われます。

所有者診断と基礎診断の間をつなぐ予備基礎診断

そこで、静岡県では、文化財建造物の耐震診断を促進するために、所有者診断と基礎診断の間をつなぐ予備基礎診断という手法を開発しました。
現段階では、その講習会によって、予備基礎診断を行うことができる技術者を養成して、耐震診断が行われていく仕組みづくりが行われています。

予備基礎診断の診断技術

予備基礎診断の方法そのものは、基礎診断で求める数値の計算方法を見越して、およその値を簡便に求めようとするものです。簡便ではあるのですが、その診断を行う技術者は、計算の方法を身についていて」かつ伝統的な建造物の調査ができなければなりません。「静岡県文化財建造物監理士養成講習会」で意欲と意思の強い方々が学ばれています。

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