力をとらえるためには、向きと大きさについて考えなければならない。
向きと大きさを取りまとめて示すことができる記号は矢印である。
矢印の矢がついている方で向きが示される。
矢印の棒の長さで大きさが示される。
矢印は雄弁な記号である。
ちなみに、
この矢印で表されるものを数学的に表現できるものを
ベクトルと呼んでいる。
実は、
真っ直ぐな矢印だけでは、力のすべてをとらえられない。
力の加わる位置がずれると
単なる押し引きだけでなく、回転させる力が生じる。
この回転させる力のことをモーメントと呼んでいる。
モーメントの大きさは、
基準とみなす中心点から
まっすぐな矢印が通過する線までの距離を
加える力そのものの大きさに掛けて計算できる。
力の大きさにも比例するが、距離にも比例する。
日常的にも、何かを回さねければならない時に、
中心からの距離を大きくして力を加えた方が、
楽に回せる経験をしている。
半径の大きなハンドル
ドアノブのレバーハンドル
握る部分が太いドライバー
など例に事欠かない。
開戸にもモーメントが生じている。
モーメントについて理解できると
そのことが実感としてとらえられるようになる。
100秒ほどの「回転する力について」の話