山は匠と同じ専門学校の卒業生で2年先輩になる。
山はリフォーム業を営み続けている。
店主:匠
経営する立場じゃなくなるとお金の心配もしなくて済むようになりました?
客:山
そうだね。
おかげで、現金とか支払い明細とか、そういうものを見なくて済むようになったよ。
店主:匠
会社をたたむっていうのは結構大変だたんでしょう?
客:山
そりゃそうだよ。借金背負って、経営の勉強をさせてもらったよ。
店主:匠
俺なんか、基本借金する経営してませんからねえ。
客:山
お金は借りなくて済むなら、借りなくていと思うね。
いざ借りたいときに借りれないから、今借りとけって言われたりもするけど。
事業を大きくしようと思わなければ、できれば借りないほうがいい。
店主:匠
じゃあ、俺のスタンスは正解ですか?
客:山
おそらくね。銀行は雨の時に傘取り上げるって言われたりもするよね。
でも、結構困っている時に、今は借りておいた方がいいってアドバイスもくれたりもするんだよね。
店主:匠
それって、貸して助けてくれるってことじゃないんですか?
客:山
あくまで俺の印象だけどね。銀行は法人に延命させることが目的なんだという気がする。銀行としては、自分の患者を増やしたいし、減らしたくはないんだよ。
だから、俺の感覚では、銀行に事業のことを聞く必要はないって気がするね。
店主:匠
じゃあ、自信を持って、このまま借金しない細々とした経営を続けていきますよ。
客:山
結局、大事なのは、何をし続けて生きたいか?ってことだよ。
土曜の夜、ケヤキの一枚板のカウンター越しの対話はまだまだ続く。