「しくみをみよう」構造目線

構造力学の教科書 第14回 ねじれ

ねじれ

ねじれ変形が生じている材の中で、せん断変形が生じている。
ねじれ変形がどのように生じるのか考えてみる。
ナレーションを加えた動画はこちら→https://youtu.be/uXezA2H1JA0

動画の補足説明

■せん断変形により、角度が変化して、面積や体積が変わる。
■長方形であったものが平行四辺形になる。
■ねじれ変形した円柱や円管について考えると、
各部分にせん断変形が生じていることが分かる。
■筒状の物体に軸方向にスリットが入った場合には、開断面になる。
■開断面になった場合には、一周回って元に戻るようにはならない。閉断面に比べて、容易にねじれやすい。
■H形鋼や溝形鋼の梁の上から荷重が作用した場合について考える。
■断面では、せん断応力の矢印の向きがそろうような形でせん断応力が生じる。
■断面の形が非対称である溝形鋼の場合には、力のかかる場所によっては、断面をねじるような応力の分布になる。
■ある位置に荷重を加えれば、材にねじれは生じない。その位置を示す点をせん断中心と呼んでいる。

解説

非対称の材を使用したことにより生じるねじれを防ぐためには、
溝形鋼を背中合わせにして用いて対象性を持つ断面にするという方法などもある。

構造物全体のねじれ

重心と剛心の位置がずれている場合に生じる構造物全体のねじれについて説明している動画です。
ナレーションなしの動画はこちら→https://youtu.be/mRHI8O_QD1g

動画の補足説明

■水平力に抵抗するための壁などがバランスよく配置されていない場合、ねじれが生じる。
■水平力は取りまとめて平面上の重心に作用すると考える。
■水平力に抵抗する要素全体の中心を剛心と捉える。
■剛心がねじれ変形の中心となる。
■剛心と重心のずれ、すなわち偏心距離が大きいと構造物全体がねじれやすくなる。
■ねじれ変形を起こさないようにするには、剛心と重心をなるべく一致させた方が良い。
■ねじれ変形を防ぐためには、剛心から離れた位置に水平力に抵抗する要素を配置した方が良い。