なぜヒトだけが幸せになれないのか 小林武彦 著 講談社現代新書 2771
ぼっちのアリは死ぬ 昆虫研究の最前線 古藤日子 著 ちくま新書 1851
もしもハチがいなくなったら? 横井智之 著 岩波ジュニア新書 997
他人を殺し、街を破壊することを止めることができず、
エネルギーの消費を抑制することもできず、
何を求めて人は生きているのだろうか?
という疑問への答えを導くために
大いに参考になる3冊を読みました。
「幸せ」を「死からの距離が保ててる状態」と定義して、
ヒトがどのように考え、どのように行動するのかということを
小林氏は解き明かしてくれています。
モデルケースとして示されているプナン族の社会のありようは、
自らの望ましい生き方のヒントになります。
AIとどのように関わっていくことが望ましいのか
ということの示唆にまで話は及びます。
快楽中毒にならないためのコツが分かります。
10匹のアリと孤立した1匹のアリを比較すると
1匹だけにされてしまったアリの方が寿命が短くなることについて
古藤氏は分析されています。
(研究のストーリーが詳細で、研究の方法論についても学べる本です。)
この話はヒトの社会とイコールではないものの
共存することの意義について考えさせられます。
ミツバチを含むハナバチとされるハチの仲間が、
生態系の中でいかに重要な役割を果たしているのかということを
横井氏は詳細に示されています。
ハナバチの保全の必要性についても強く認識させられます。
さまざまなことがらが複雑に絡み合いながら、
命あるものが共存していく世の中のありようを考えるために
これら3冊はとても参考になリます。