構造物に加わる力のことを荷重と呼んでいる。
加える力と書きたくなるが、通常、荷物の荷の字が使われている。
加わる力は荷物の重さだけではない。
風圧力や地震力なども荷重である。
建築基準法では荷重という単語がくっついていないが、
日本建築学会の荷重指針ではすべて荷重とされている。
ここでは、固定荷重と積載荷重について説明する。
まずは積載荷重から
積載荷重は床の上に乗る物や人の重さを合わせたものである。
使う部屋の中に、どれぐらいの物や人が、
どの場所に載るかということで、
与える影響が異なる。
構造計算する際には、
床に載るものについての
いちいち細かな想定をしない。
では、どうするか?
あらかじめ調査されたデータから、
部屋の用途によって概算見積りされた数値を使う。
建築基準法施行令や荷重指針といったものに、
それらの数値が提示されている。
100秒ほどの「積載荷重」の話
次に固定荷重について
そもそも、構造物のそのものの重さがある。
これを固定荷重と呼んでいる。
固定荷重をどのように見積もるか?
使われている材料の比重と体積を掛け算すると
その大きさが計算できる。
材質とその寸法が分かっていれば
確実に計算することができる。
留意すべき点は、
「寸法が決まっていれば」ということである。
設計するときに、
構造計算してそれに見合う大きさの断面にする。
この流れだと計算した結果から大きさを決めることになる。
しかし、
固定荷重は、断面の大きさが決まらないと分からない。
よって、
計算する前に、
断面の大きさを決めておかなければならない。
この仮に決めておく断面のことを仮定断面と呼んでいる。
計算した結果から、
余裕がありすぎたり、小さすぎた場合には、
仮定断面を修正して再計算することになる。
最初にあたりをつけた仮定断面が妥当であれば、
その手間がなくなる。
100秒ほどの「固定荷重」の話