「しくみをみよう」構造目線

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【終末のデザイン】核のゴミの終末

イロモノ

原子力発電所を稼働させると核のゴミが出る

モノクロ

高レベル放射線廃棄物

イロモノ

放射線が出るので適当に捨てるわけにはいかない

モノクロ

出る放射線のレベルが低くなるまで安全に保管しなければならない

イロモノ

安全になるまでにはどれぐらいの時間がかかるのだろうか?

モノクロ

10万年

イロモノ

10万年?

モノクロ

そう10万年

イロモノ

それまで安全に保管し続けないといけないってこと?

モノクロ

そういうこと

イロモノ

そんな終末、あまりにも遠すぎて見通せない。

モノクロ

でもすでに核のゴミはある

イロモノ

すでに原子力発電所を動かし続けてきたからね

モノクロ

すでにある核のゴミをどうするか?この国では決まっていない

イロモノ

決まっていない?

モノクロ

そう、今のところ確定していない。

イロモノ

で、どうするの?

モノクロ

どうすればいい?

イロモノ

10万年後がどうなるかなんて予想がつかない

モノクロ

10万年後がどうなろうと知ったことじゃない?

イロモノ

それまでに大きな事故が起こればその時点で終末を迎えることもあるかもしれない

モノクロ

それに対して誰も責任の取りようがない

イロモノ

責任の取りようがないことへの対応が迫られている

モノクロ

その対応をすでに迫られている

イロモノ

すでに後戻りできないことになっているということ

モノクロ

一歩踏み出したのだから、そのまま進めばいいという話ではない

イロモノ

責任の取りようがないので もう進んでいっちゃえばいいという考え方もありそう?

モノクロ

これは 多分 想定し得ない終末の話

イロモノ

終末をイメージできないことの恐ろしさがこの話にはある

モノクロ

予想をはるかに超えることを予想することはできない

イロモノ

人はそもそも終末のあることにしか向き合えない

モノクロ

永遠の話とは向き合えない

イロモノ

すでにある核のゴミの話など 誰しもがなかったことにしたいよね

モノクロ

まったく消える可能性がないのにね

イロモノ

面倒な話ではあるけれど 消せないものと向き合うしかない

モノクロ

永遠なるものと向き合えるだろうか?

参考文献
核のゴミをどうするか もう一つの原発問題
今田高俊・寿楽浩太・中澤高師
岩波ジュニア新書 967
2023 岩波書店

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