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【終末のデザイン】映画の上映の終末

モノクロ

ある映画の終わり間際のあるシーンの演出について その映画の監督になぜそうしたのか聞いたことがある

イロモノ

それはどんなシーン

モノクロ

ある登場人物が砂浜の向こうの方にいたかと思うと突然画面から消えるシーン

イロモノ

それはSFか何か

モノクロ

そういうタイプの映画ではなくて その人物の命が尽きたということを象徴的に表したシーンに思えた

イロモノ

その演出について監督に直接尋ねたということか

モノクロ

そう

イロモノ

で その答えは

モノクロ

教えてくれなかった

イロモノ

答えたくなかったのか

モノクロ

いや そもそも答えようのない質問だった気がする

イロモノ

そのシーンをどうするか それは最後は監督の決断によるもの

モノクロ

そう なぜそうしたかは論理的に説明できるものではない

イロモノ

それを質問したんだ

モノクロ

でも 答えは返ってこなかった それが答えなんだと実感した

イロモノ

映画には上映時間があって その最後をどうするか 決断しなければならない

モノクロ

映画の終わらせ方をどうするのか

イロモノ

多くの場合 スタッフロール エンドロールが流れる

モノクロ

それらが流れ終わった後に 続きのシーンがあって そこまで見ないと締めくくれない映画もあるよね

イロモノ

最後の最後まで見ないと完結に至らない映画もあるね

モノクロ

ずいぶん前は映画館って 映画の途中から見ることもできて そのままもう一度見ることもできたよね

イロモノ

後半のシーンを見て結末が分かった上で 初めから見直すこともあったね

モノクロ

今はそういう見方をさせてもらえるところは ほとんどない

イロモノ

最初から最後までの限られた時間 映画鑑賞する

モノクロ

そして必ず終末を迎える

イロモノ

必ず終末を迎えることを承知した上で鑑賞している

モノクロ

作り手は終末に近いところ 結末をどうするかをおそらくは悩み抜いて制作している

イロモノ

見終わった直後にどのような気持ちになるかは 直前の終末のシーンの影響を大きく受ける

モノクロ

終わらせ方のイメージが初めからあって そこにつなげていくという方法と 最後の最後に終わらせ方を決めるという方法 どちらもありうる気がする

イロモノ

そのどちらにしても 終わらせ方と向き合わざるを得ない

モノクロ

決断って どう断つかを決めること

イロモノ

決める それが映画監督の仕事

モノクロ

その決断の結果に向き合うのが映画鑑賞

イロモノ

なんだか観るのにも覚悟が入りそう

モノクロ

覚悟はなくても限られた時間そのものを楽しみさえすればいい。

イロモノ

おそらく そのことが心地よい。

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