前年度に引き続き16体(直前に1体が不参加となりましたが)の出場耐力壁による熱戦が繰り広げられました。遠くは高知県からも参加していただき、より全国的なイベントとなる様相が見え始めました。過去2回の結果を踏まえて工夫された耐力壁が登場してくるため、強度がより一層向上してきました。また、日本建築専門学校の学生ボランティアによる当日の大会運営の要領も過去2回の経験を踏まえ、より一層手際よく行われました。
前年度の砂袋の重さを、壁の上部の桁に取り付ける鉄骨の治具の重さで置き換えることにしました。砂袋がぶら下がっている姿が美しくないことや破壊の様子が十分に見ることができないことを改善するため、また、壁の設置や取り外しを手際よく行うための改良です。
また、トーナメント戦での勝利を目指す形にしないために、これまでの強度部門(トーナメント戦での優勝)、耐震部門(グラフの面積から粘り強さを判定)以外に、デザイン賞、技能賞、技術開発賞、構造設計賞を設けました。デザイン賞、技能賞は、それぞれについて審査員が優れたと認められたものに対して与えられます。技術開発賞は、実施設計への適用可能性などを判断し、構造設計賞は、設計者が強度や壊れ方を予想できていたかどうかを判断して決めることにしました。それぞれの賞ごとに順位を付け、その順位の合計の一番大きな壁が総合優勝杯を獲得することにしました。
各賞の審査には、次の皆様に当たっていただきました。
平成12年度各賞審査員(敬称略)
デザイン賞 宮越喜彦(木住研)
技能賞 外岡信乃夫(日本建築専門学校 教授)
技術開発賞 西村勝美(日本住宅・木材技術センター 研究開発部部長)
構造設計賞 稲山正弘(稲山建築設計事務所)
合板の四周を数多くの木栓で留付け、足元に金物を集中的させ強度の高い鋼材で固めた「田上剛くん」が強度と耐震の2部門を制して、合計点数の一番高い壁に与えられる総合優勝ももぎ取りました。ただ、依頼を受けて「田上剛くん」の施工に携わった日本建築専門学校の学生の苦労は並のものではなく、実際には絶対にできないという印象が強くもたれた壁でした。
平成12年度は、次の皆様に後援、協賛賜りました。ここに感謝申し上げます。
(材)日本住宅・木材技術センター・静岡県・静岡県木材協同組合連合会・日本建築専門学校・富士ひのき加工協同組合・新日本まちづくりハウジング協会
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