構造物に作用する力を荷重と呼んでいる。
ここでは雪荷重の紹介に加えて、
荷重として見落としがちなことがらについても触れる。
構造の教材
構造力学の教科書036 さまざまな荷重②
- Keyword
- 雪荷重 土圧 水圧 熱応力
- Lecture
- 第11回
解説
- 1
雪荷重
屋根に積もった雪が鉛直荷重として作用する。
雪荷重の大きさは、どれだけ積もったかという積雪深に関わる。- 2
積もる期間によって、長期か短期か、荷重の扱いを区別する。
雪荷重の特徴として考慮すべき点が複数ある。
・積雪量が多いときに絞め固められて体積あたりの重量が大きくなる。
・南側だけが先に溶けて偏った荷重になることの影響。
・一旦溶けた雪が軒先でぶら下がる。
・地面に積もった雪が構造物を横から圧す。- 3
土圧 水圧
地面の中などで目に触れない部分に生じる荷重。
深くなればなるほど、その圧力は大きくなる。
段差のある土地では、それに耐えるだけの擁壁を設ける。
擁壁には、土圧だけでなく、地下水によって生じる水圧も加わる。- 4
熱応力
熱そのものは荷重ではない。
熱の影響で、構造物が伸び縮みすることによって部材に応力が生じる。
その影響を受けても十分に耐えることができるようにしておくか、
その影響が生じないように、伸び縮みを許容できる工夫をしておくか、
検討しておかなければならない。
追記
鉄道の乗り物で、なぜガタンゴトンというような音が生じるているのか?
それは線路の隙間の影響である。では、なぜ線路の継ぎ目に隙間があるのか?
それは熱の影響による線路の伸び縮みを吸収するため。
伸縮を吸収するための線路の継ぎ目の工夫は?