構造の教材

構造力学の教科書032(梁トラス③)

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トラス ピン接合 軸力
Lecture
第8回

梁トラスの斜め材は、その向きに応じて圧縮力または引張力が生じる。
形を見ただけで、圧縮力か引張力のどちらが生じているのか見極められるようになっておきたい。

解説

1

単純梁の例で考える。中央部分で両側を切断した形を想定する。

2

上からの荷重に対して釣り合う力が斜め材に生じるものとして考えると
斜め材の軸力の矢印の向きが直感的に分かる。

3

断面から矢印が出ていく向きが引張、その逆が圧縮なので、
矢印の向きさえ分かれば引張か圧縮か判断できる。

4

さらに外側を切断した場合も想定してみる。
中央側で切断した場合よりも、上からの荷重が大きな分だけ、斜め材の軸力が大きくなる。

追記

部材に引張と圧縮のどちらの力が生じるかということを見極めることはとても重要です。
引張の場合には、接合部を引張力に対して耐える仕様にする必要があります。
(変形が大きすぎても困るので、そのチェックも必要です。)
圧縮の場合には、部材が突然曲がる座屈という現象が起こさないだけの断面が必要になります。

斜め材がなく長方形が連続する形の梁があり、
提案者の名前からフィーレンディール梁と呼ばれています。
トラス構造ではないにもかかわらず、
フィーレンディールトラスと呼ばれもしています。

 

参考文献

ここで示した考え方が次の本に書かれています。
力学的なことを直感的に学べる良書です。

建築の絵本 建築構造のしくみ 第二版 力の流れとかたち
川口衞・阿部優・松谷宥彦・川崎一雄 著
ISBN:978-4-395-32015-8
2014年06月
彰国社のサイト https://www.shokokusha.co.jp/?p=820